「デザインイメージの共有方法」に関する実態調査|9割以上の建築士が今後オンラインで共有する機会は増えていくと回答

今回、設計事務所に勤める建築士を対象に、「デザインイメージの共有方法」に関する実態調査を行いました。商業施設や病院、一般住宅など、建築士はありとあらゆる建築物の設計を行います。では、建築士は、近年の顧客のニーズについてどのような変化を感じているのでしょうか。また、設計内容を顧客と共有するうえでどのような課題を感じているのでしょう。

■調査概要

「デザインイメージの共有方法」に関する実態調査
調査期間  :2024年10月17日(木)~2024年10月18日(金)
調査方法  :PRIZMA( https://www.prizma-link.com/press )によるインターネット調査
調査人数  :709人
調査対象  :調査回答時に設計事務所に勤める建築士と回答したモニター
調査元   :株式会社建築家コミュニティ
モニター提供:PRIZMAリサーチ

近年の顧客ニーズの変化への対応について

はじめに、今回協力していただいた建築士が携わっているプロジェクトの割合は以下の通りになりました。

『住宅設計(47.3%)』『商業施設設計(36.5%)』『公共建築設計(31.3%)』『構造設計(27.4%)』『設備設計(22.9%)』『インテリアデザイン(19.8%)』『都市計画(7.1%)』『その他(0.6%)』

では、近年の顧客ニーズにはどのような変化があるのでしょうか。

そこで、「近年の顧客のニーズには、どのような変化が見られますか?(複数回答可)」と質問したところ、『耐震性や安全性の要求が高まっている(40.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『コストパフォーマンスの要求が高まっている(39.9%)』『デザインへのこだわりが強まっている(36.1%)』『環境配慮が重視されるようになっている(32.9%)』となりました。

近年では、地震が多発していることもあり、耐震性や安全性の要求が高まっているといった回答が最多になりました。

また、コストパフォーマンスやデザイン、環境配慮なども要求が高まっていると思う方が多いようです。

そのような顧客のニーズに応えるために、新たなスキルや知識の習得をしている方はどのくらいいるのでしょう。

そこで、「これらのニーズに応えるために、新たなスキルや知識の習得をしていますか?」と質問したところ、約9割の方が『とてもしている(37.0%)』『ややしている(51.5%)』と回答しました。

顧客のニーズに応えるために、スキルや知識向上に取り組んでいる方が非常に多い結果になりました。

【BIMの導入】約2割が導入の検討中、導入の予定なしと回答!その理由とは?

近年の顧客ニーズの変化や、ニーズに応えるためにスキルや知識向上に取り組んでいる方の割合が判明しました。

建築産業において、コンピューター上に建物の3Dモデルを簡単に構築できるソフトウェアBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)があります。

完成イメージに近い3Dモデルで、建物の設計図を調整したり検討したりすることができますが、BIMを使用している方はどのくらいいるのでしょう。

「多様なニーズに応えるワークフローとしてBIMが注目されていますが、BIMを使用していますか?」と質問したところ、『日常的に使用している(33.6%)』『ときどき使用している(48.9%)』『導入を検討している(12.3%)』『導入の予定はない(5.2%)』という回答結果になりました。

約8割の方がBIMを使用しており、顧客の多様なニーズに応じたデジタル化が進んでいる様子がうかがえます。一方で「導入を検討している」「導入の予定はない」という方も一定数いることが明らかとなりました。

では、どのような理由でBIMを導入していないのでしょうか。

前の質問で「導入を検討している」「導入の予定はない」と回答した方に聞いてみました。

「BIMを導入していない理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『操作を学ぶ時間がない(41.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『コストがかかる(33.9%)』『操作できる人材がいない(32.3%)』となりました。

BIMの導入をしていない理由として、操作を学習する時間がないことやコストがかかること、操作できる人材がいないといったリソース不足が見られました。

顧客との設計意図のやり取りにどのような課題が?

BIMを導入している方の割合や、導入していない理由などが示されました。

では、デザインについて顧客とコミュニケーションをとる際は、どのようなツールを使っているのでしょうか。

「デザインに関する顧客とのコミュニケーションではどのようなツールを使用していますか?(複数回答可)」と質問したところ、『図面(48.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『模型(44.7%)』『手書きパース(43.6%)』となりました。

顧客とのコミュニケーションにおいて、図面や模型、手書きパースと回答した方が多く、BIMが普及しているのとは対照的に、昔から使われているツールが現在でもよく使用されている様子がうかがえます。

では、それらのツールを使用して設計に関する意図はスムーズに共有できているのでしょうか。

そこで、「前項で選択した手段で、顧客と設計の意図をスムーズに表現・共有できていますか?」と質問したところ、『とてもできている(32.6%)』『ややできている(55.4%)』『あまりできていない(10.7%)』『全くできていない(1.3%)』という回答結果になりました。

前項で選択した手段で顧客とスムーズにコミュニケーションを取れていると感じている方が多い一方で、「あまりできていない」「全くできていない」と感じている方も少数いるようです。

では、顧客とスムーズにコミュニケーションがとれていないと回答した方は、その理由をどのように考えているのでしょうか。

前の質問で「あまりできていない」「全くできていない」と回答した方に、「スムーズに共有できていない理由をどのように考えていますか?(複数回答可)」と質問したところ、『ソフトウェアの互換性不足(30.6%)』『コミュニケーションが円滑に進まない(30.6%)』『顧客とアポイントがスムーズに取れない(30.6%)』が同数となり、次いで『作り込みに時間がかかってしまう(23.5%)』『過去のデータが有効に活用できていない(23.5%)』となりました。

建築士と顧客の間でのソフトウェアの連携やコミュニケーションの手法に理由があると感じている方が多いようです。

顧客との円滑なコミュニケーションを実現するために、プレゼンテーションの支援まで含めたワークフローの設計、アポイントを取る必要のない非同期コミュニケーションツールの充実が必要であることがうかがえます。

今後、オンラインでのやり取りを円滑に進めるためには?

では、「今後、オンラインで顧客と設計を表現・共有する機会は増えていくと思いますか?」と質問したところ、9割以上の方が『はい(93.0%)』と回答しました。

今後、手書きパースや模型を用いた従来型のプレゼンテーションは、オンラインツールを用いたものへ切り替わっていく可能性が高いことが示唆されています。

では、顧客とオンラインで設計を共有するうえで、どのような機能が重宝されると思うのでしょうか。

最後に、「オンラインで顧客と設計を共有するうえで、今後どのような機能が重宝されると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『顧客側でソフトのダウンロードが必要ない(44.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『アップロードやレンダリングの待機時間が短い(44.5%)』『顧客からのフィードバックを3Dモデル内に記録できる(39.5%)』となりました。

顧客側でソフトのダウンロードが不要なことやアップロードやレンダリングの待機時間が短いこと、さらには顧客からのフィードバックを記録できるといった機能が重宝されると思う方が多く、技術的な負担を減らすことが、今後オンラインでの顧客対応において重要な課題と言える結果になりました。

【まとめ】顧客ニーズの変化に合わせて、プレゼンテーションや非同期コミュニケーションを支援するツールを活用すべきでは?

今回の調査で、設計事務所に勤める建築士が感じている顧客ニーズの変化が明らかになりました。

顧客のニーズにおいて、耐震性や安全性、コストパフォーマンス、デザインや環境配慮への関心が高まっており、それに応えるために多くの方が新たなスキルや知識の習得に取り組んでいるようです。

約8割の方がBIMを活用しており、顧客に応じて建築業界のデジタル化が進んでいる様子がうかがえます。中には、学習時間の確保やコストの問題や、操作できる人材の不足などを理由に、導入を検討中、あるいは導入を予定していない方も一部いるようです。

一方で、デザインに関する顧客とのコミュニケーションにおいては、従来の図面や模型、手書きパースを使用している方が多く、BIMの導入効果が顧客とのコミュニケーションまでは波及していないことがうかがえます。

スムーズに設計意図を共有できていない理由として、ソフトウェアの互換性不足やコミュニケーションが円滑に進まない、顧客とのスケージュール調整が難しい、作り込み時間がかかってしまうといったことが見られました。

現在、図形や模型、手書きパースなど、対面でのコミュニケーション手段が多く使用されていますが、今後オンラインで顧客と設計を表現・共有する機会は増えると回答した方は9割を超える結果となりました。

そのため、今後はオンラインに対応したツールへの切り替えが進み、「顧客側でソフトのダウンロードが必要ない」や、「アップロードやレンダリングの待機時間が短い」「顧客からのフィードバックを3Dモデル内に記録できる」など、現在顧客とのコミュニケーションがスムーズにできていない要因の改善に繋がるような機能が重宝されると考えられているようです。

これからの時代、オンラインで顧客とスムーズに情報共有ができるツールが更に必要になると言えそうです。

コミュニケーションの課題を解決するレンダリングソフト|Studio3DX

株式会社建築家コミュニティは、コミュニケーションの課題を解決するコラボレーション型レンダリングソフト『Studio3DX』を日本代理店として提供しています。

『Studio3DX』とは

ハイパーリンクを活用した非同期コミュニケーション

Studio3DXでは3Dモデルをハイパーリンクで簡単に共有することができます。

一般的なWEBブラウザで3Dシーンを閲覧できるため、顧客側で閲覧用ソフトのダウンロードの必要ありません。メールでURLを送付するだけで、PCやスマートフォン等の様々なデバイスから簡単に閲覧してもらうことが可能です。

リアルタイムなプレゼンテーションや協働作業を支援

Studio3DXでは、ビデオ、オーディオ、画面共有の機能を有したWEB会議システムの機能を完備しているため、リアルタイムのプレゼンテーションや協働作業をデジタル空間の模型の中で進めることができます。コメント機能を使用すれば、顧客からのフィードバックを3Dモデルの中に貼付けて記録する事も可能です。

高速レンダリング|データの軽量化で強みを発揮

Studio3DXは3Dシーンの準備工程においても速度や効率性を重視した開発を進めてきました。

3Dモデルのレンダリングに要する時間はわずか数秒間です。

アップロード後はクラウド上で照明や素材感の編集をするため、高性能なPCは必要ありません。

動作環境

以下のブラウザが推奨されます。

<デスクトップ>

・Mozilla Firefox
・Google Chrome
・OperaSafari
・Microsoft Edge (推奨)
・その他のChromiumベースのブラウザ
※Studio3DXはInternet Explorerではサポートされていないことに注意してください。

<モバイル>

モバイルデバイスの場合、Studio3DXは次のオペレーティングシステムのブラウザと互換性があります。

・iOS8以降
・Android4.0以降

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Studio 3DX|コラボレーション型レンダリングソフト

町工房のようなデジタル空間でクライアントと語り合い、パートナーと切磋琢磨する。